しかし、愛する人との結婚をなるべく多くの大切な人たちに祝ってほしいという気持ちを持っている人もかなり多くいるはずです。
親族や親しい友人、会社の同僚などを招待するとなると、50~60人以上の規模になる可能性が高いですが、やはり気になるのはその費用ですよね。
一般的な結婚式では、300万円前後の費用が掛かることも珍しくないので、その費用をどうするかが大きな問題となります。
そこで考えられる手段の1つとなるのが、「ブライダルローン」です。手持ちの資金では足りなかったとしても、ブライダルローンを組めば規模の大きな結婚式も実施できます。
ただし、ブライダルローンを組むのはそれなりにリスクが伴うのも事実です。
この記事では、そんな「ブライダルローンの概要や利用するデメリット」について解説していきたいと思います。
結婚式の費用を借りれる「ブライダルローン」について
ブライダルローンは、「結婚のためにお金を借りるローンサービス」のことです。
住宅ローンやカーローン、教育ローンなどと同じように、結婚という目的に特化した金融ローンとなります。
人生で利用する機会がない人も多いので、その他のローンよりも認知度は低いですが、多くの銀行や信販会社が取り扱っています。銀行や信販会社の中には、結婚式場と提携している所もあったりします。
結婚式の費用はもちろん、結婚指輪や新婚旅行、新居への入居費用、家具家電なども対象となり、通常のカードローンよりも低金利(約3%~10%程度)で借りることができます。
ブライダルローンのデメリット
ブライダルローンは手持ち費用がないカップルにとってありがたいシステムではありますが、デメリットがあるということも理解しておかなければなりません。
具体的なデメリットを挙げてみましょう。
後々の資産にならない
例えば住宅ローンやカーローンであれば、ローンが終わった後に売りに出して資産にすることができますよね。
売りに出した際に値下がりしているケースも多いと思いますが、それでも資産が増えるわけですから、メリットがあると言えます。
しかし、ブライダルローンの場合には、そのほとんどが結婚式や新婚旅行を行う費用なので、後々資産になるといったことがありません。
新生活が経済的に苦しくなる
ブライダルローンでは、例えば50万円~200万円程度一気に借りることもあります。その返済金額は、金利が低いとはいえかなり大きな金額となります。
例えば、金利5%のブライダルローンを100万円借りた場合、毎月3万円程度を3年間返済し続けなければなりません。
もしも大きな規模の結婚式の費用で300万円借入したとしたならば、5%の金利でも56,000円程度を5年間返済し続けなければなりません。
大切な思い出にはなりますが、良いランクの車を1台ローンで購入したのと同じくらいの返済額を払い続けなければならないので、その後の生活がかなり苦しくなってしまうでしょう。
もしも結婚後女性が妊娠をしたならば、共働きができない期間が数年間続き、余計に家計が苦しくなってしまうはずです。
共働きだから十分返済できるだろうと考えていると、かなり後々経済的に厳しくなってしまうことでしょう。
意外と審査が厳しく高い金利でなければ借りられないことがある
「計画している結婚式を行うには資金が足りないけど、ブライダルローンを組めば大丈夫」と思っていたとしても、「審査に落ちてしまう」という可能性もあります。
様々なローンの中でも、ブライダルローンは比較的審査が厳しめだと言われています。
せっかく結婚式の計画を立てたにもかかわらず、ブライダルローンの審査に落ちてお金が用意できないといったケースもありえるわけです。
また、「ブライダルローンの審査には通ったけど金利が思ったよりも高くなってしまった」ということもあります。
借りる額が大きくなるので、金利が1%違うだけでもかなり返済額が変わってしまいます。
引くに引けず10%以上の金利のブライダルローンを組んで結婚式を行うといったカップルも実際に存在するのです。
ローンを組んで結婚式を挙げると後悔する・・・?
手持ち資金が少なくても、低金利でお金が借りられて多くの人にお祝いしてもらえるほどの規模の結婚式が挙げられるので、カップルにとってはありがたいサービスであると言えます。
しかし、実際にブライダルローンを利用したカップルたちの中には、後悔している人たちも大勢いるのも事実です。前述したように、ブライダルローンにはいくつかのデメリットがあり、新婚生活に大きな負の影響を及ぼします。
あるカップルは、結婚式の打ち合わせをするたびに、「あれもやりたい」「これもやりたい」といったようにオプションを増やしてしまい、当初は70万円程度のブライダルローンで済むはずが結局100万円という金額を借りることになりました。
共働きであったため、「まあ月に3万~4万円であれば何とか大丈夫だろう」と実際にローンを組んでしまったのですが、その後新型コロナウイルスの影響で夫婦そろって年収が下がり、今も副業をこなしながらギリギリの生活を送っています。
「とてもじゃないが子供を作る余裕がない」と嘆いているのです。
世の中には、このカップルのようにブライダルローンを組んだことで後悔してしまうカップルもかなり多いはずです。
ブライダルローンを利用しない方が良いケース
もしもすでに生活にあまり余裕がないという人や、その他のローンがあるという人は、ブライダルローンを組むという選択肢を慎重に考える必要があると言えます。
結婚式後に子供を作りたいと考えているカップルなども、女性が育休に入り働けなくなる期間があるということも考慮しなければなりません。
ブライダルローンは住宅ローンやカーローンと同じような大きな金額を借りるローンですから、ローンを組むかどうかは慎重に判断しなければならないと言えるでしょう。大勢にお祝いをしてもらう結婚式が素晴らしいのは間違いありませんが、結婚はスタートであり決してゴールではありません。
近年では、大きな費用を掛けずに行える2人だけの挙式や、少人数の家族婚、そしてフォトウェディングといった選択肢を選ぶカップルも多かったりします。
そういった方法であれば、ブライダルローンを利用せずに行うこともできるはずなので、結婚後の新生活も余裕をもってスタートさせることができるはずです。
また、結婚式や披露宴といった形にこだわらずに、「食事会」といったカジュアルな集いにするのもおすすめです。
お互いの親族の顔合わせもできますし、費用面でもかなり安く行うことができることでしょう。
▼「結婚式をしないカップルが代わりにしていること」については下記をご覧ください。
まとめ ブライダルローンで後悔しないために
今回は、「ブライダルローンの概要や利用するデメリット」について解説してきました。
- 後々の資産にならない
- 新生活が経済的に苦しくなる
- 意外と審査が厳しく高い金利でなければ借りられないことがある
ブライダルローンを利用することで、これらのデメリットを負ってしまう可能性があります。
ぜひ結婚式のことだけを考えるのではなく、その後に始まる新生活を考慮した計画を立てるようにしましょう。